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草間 義紀
プラズマ診断の基礎と応用, p.195 - 205, 2006/03
プラズマ・核融合学会からの依頼により、上記の本の第6章第3節「高速中性粒子の計測」を執筆した。高温プラズマ中の高速イオンの挙動を解明することを主な目的に幅広く利用されている高速中性粒子計測に関し、高速中性粒子の発生過程,高速中性粒子発生量の評価,高速中性粒子のプラズマ中での減衰と積分効果,質量/エネルギー分析器など、本計測の基礎を概観している。また、高速イオンの中性化過程における不純物イオンの効果,多段階電離過程による高速中性粒子の減衰など、近年、考慮する必要があると考えられるようになった効果についても述べた。さらに、実際の計測及び分析器の設計を行う際の注意点について触れた。
早川 滋雄*; 原田 謙吾*; 荒川 和夫; 森下 憲雄
Journal of Chemical Physics, 112(19), p.8432 - 8435, 2000/05
被引用回数:19 パーセンタイル:50.82(Chemistry, Physical)MS/MS(Mass Separation/Mass Spectral Characterization)システムの質量分析計を用いた電荷逆転実験において、質量弁別した正イオンがアルカリ金属ターゲットとの衝突により、二電子移動反応で生成した負イオンの質量分析を行った。thermometer molecule(温度計分子)W(CO)等を用いて内部エネルギーを測定した結果、W(CO)による測定値と先駆体イオンのエネルギーレベルの差は、Csターゲットのイオン化エネルギーと良く一致した。この一致は、電荷逆転法における中性化が、近共鳴でおこるため、特定のエネルギー状態の中間体となり、この中間体が解離していることを示している。
坂本 義昭; 妹尾 宗明; 小西 正郎*; 森山 昇*
Proc. of 7th Int. Conf. on Radioactive Waste Management and Environmental Remediation (ICEM'99)(CD-ROM), 5 Pages, 1999/00
TRU核種を含む放射性廃棄物の処分場においては、セメント系材料の使用が想定されている。セメント系材料は、時間とともに地下水等の影響により劣化することが知られている。本研究は、地下水成分の1つである炭酸による劣化(中性化)した後のセメントに対するNpの吸着と移行挙動を調べたものである。バッチ法による中性化前後のセメントへのNpの吸着挙動を調べた結果、中性化そのものよりも中性化に伴う接触溶液のpHの低下によるNpの分配係数の低下の影響が認められた。一方、カラム法によるNpの移行挙動を調べた結果では、セメント成分によるNpのコロイド形成のため、カラムからの流出液中のNpが破過しない結果が得られ、コロイド形成によるNpの移行挙動への影響が確認された。
小西 正郎*; 坂本 義昭; 妹尾 宗明*; 森山 昇*
原子力バックエンド研究, 4(1), p.47 - 55, 1997/08
人工バリアにコンクリート系材料を用いる放射性廃棄物の処分施設では、セメントによる放射性物質の閉じ込め性能を評価する必要がある。特に、セメント系の材料は、空気中の炭酸ガスや地下水中の炭酸イオンと反応することにより中性化現象が生じ、放射性核種の閉じ込め性能に影響を及ぼすことが想定される。このような、セメントの劣化による影響を評価しておくことが重要であり、Pu(IV)とNp(V)のセメントに接触した高アルカリ地下水中での挙動及び中性化したセメント材料への吸着をバッチ法により調べた。その結果、セメント接触液中では高アルカリと溶存イオンが多いためNpのコロイドが生じやすいこと及び中性化にともなう接触水のpH低下によりPu(IV)及びNp(V)のK値はおよそ1/1000に低下することが分かった。
水野 誠; 花田 磨砂也; 井上 多加志; 小原 祥裕; 奥村 義和; 田中 茂; 渡邊 和弘; 浅原 政治*; 小西 一正*; 中里 宏*; et al.
Fusion Engineering and Design, 23, p.49 - 55, 1993/00
被引用回数:3 パーセンタイル:38.1(Nuclear Science & Technology)定常トカマク型動力炉(SSTR)用2MeV中性粒子入射装置の概念設計について記述する。装置は2個の接線ポートより炉心プラズマに2MeV,60MWの中性重水素ビームを入射する。それぞれのポートには8個のイオン源/加速器モジュールを有するビームライン1基が据え付けられる。モジュールはビームライン軸から外れて配置されており、加速されたイオンビームはイオンビーム偏向システムにより偏向され中性化セルに導かれる。このような配置とすることにより炉心からの直接の放射に曝されることなく、かつ、1つのポートに多数のモジュールを配置することが可能となる。また、モジュールあたりのイオンビーム出力を減らせるため、コッククロフト・ワルトン型直流高電圧電源の採用が可能となり、高電圧伝送系が不要となる。さらに、全モジュールが同一フロアーに配置されるため、メンテナンスが容易になる。
下岡 謙司; 和達 嘉樹
保健物理, 25, p.107 - 114, 1990/00
コンクリートピットの放射性核種閉じ込め性能を確かめることを目的としたコンクリートピット内にCs溶液を約600日間貯留した。ピットから採取したコアのCs濃度分布を解析し、コンクリートピット中のCsの濃度分布は、表面に吸着したCsを拡散源とする表面近傍部での拡散にCs溶液そのものを拡散源にする内部での拡散の二つを重ね合わせることで表現できることを示し、それぞれのみかけの拡散係数1.710m/sおよび1.710m/sを求めた。さらにコンクリートの経年変化によるバリア性能の変化を調べるため中性化コンクリート供試体中における拡散係数等の物性値を測定し、物性値に中性化による大きな変化が無く、放射性核種移行阻止能は低下しないことを明らかにした。
松岡 守; 堀池 寛; 伊藤 孝雄; 栗山 正明; 松田 慎三郎; 森田 洋昭*; 小原 祥裕; 田中 茂
JAERI-M 83-069, 30 Pages, 1983/05
JT-60NBIでは中性化セルを出たあとのビームに含まれる残留イオンビームの衝突から偏向磁石を保護するためにウォータージャケットが設けられている。このウォータージャケトへの熱負荷を軽減することが設計上の課題であったが、これをイオンビームリミッタの機能も併せ持つような中性化セルのを採用することにより解決した。このような機能を持った中性化セルの設計は、偏向磁石やウオータージャケットなど隣接する他機器の設計と並行して総合的に進める必要があった。本報告ではこのような状況の下に行われた設計の経緯を詳述する。JT-60NBI原型ユニットによる予備的な試験結果も示し、計算結果と比較する。
村岡 進; 村瀬 欣伸*; 山形 茂; 中村 治人; 荒木 邦夫; 橘 宏行; 三友 昭市; 鷲野 正光; 山田 清承*; 山田 尚*; et al.
JAERI-M 83-004, 38 Pages, 1983/02
高レベル放射性廃棄物貯蔵施設の健全性を評価する基礎資料を得るために、線の照射がコンクリートの諸物性に及ぼす影響を調べた。所定の期間養生したコンクリートを、(1)線照射及び加熱環境、(2)加熱環境のみ、および(3)20C、相対湿度90%の気中環境の異なる3種類の環境下に、加熱温度を変えて(100C、160Cおよび190C)、所定の期間(300時間、600時間および1200時間)貯蔵した後、重量、圧縮強度、弾性係数、ポアソン比、寸法、および中性化の各種の物性変化を調べる実験を行った。その結果、最大1.010R程度のオーダーの線照射量の範囲内においては、線照射がコンクリートの諸物性に及ぼす影響は明確ではなく、むしろ加熱による影響の方が支配的であることがわかった。
杉浦 俊男*
JAERI-M 82-116, 63 Pages, 1982/09
この総論は1982年1月の報告(JAERI-M・9902)の第2報である。この報告はH及びDイオンの生成とその中性化断面積のデータのサーベイである。ここではChenらが報告している6弗化硫黄の解離共鳴電子捕獲におけるレーザー光照射による光増感の新しい知見にもとずき、放電中のDイオン増加方法への適用につき概説した。中性化については、相互中性化と光電子脱離についてまとめた。
杉浦 俊男
JAERI-M 9902, 68 Pages, 1982/01
この総説は磁場閉じ込め形核融合炉のための「負イオンを基礎とした中性粒子入射」によるプラズマ加熱に寄与する目的で予備的に行われた調査報告である。まず一般的な負イオン生成の諸過程につき解説し、種々な方法で生成するHイオンの生成断面積とHイオンの中性化の断面積をまとめた。データは主として測定値であるが、一部理論計算の結果も含んでいる。
柴田 猛順; 伊藤 孝雄; 白形 弘文; 菅原 亨*
JAERI-M 6990, 10 Pages, 1977/02
JFT-2中性粒子入射加熱実験に使用される中性粒子ビームの組成を調べた。イオンの加速電圧30kV、引きだし電流5.5Aのとき中性粒子ビーム全エネルギーのうちH(30keV)、H(15keV)、H(10keV)、H(30keV)、H(20keV)の各粒子が57%、28%、9%、30%、3%受けもっていることがわかった。イオン源のガス効率は、57%であった。さらに中性化セルをつけずに不純物イオンの量を測定した。主要な不純物は、O、OH、HO、HOで全イオン電流の0.4%、0.4%、1.3%、0.1%であった。
武野 竜太郎*; 松浦 治明*; 佐藤 勇*; 鈴木 恵理子
no journal, ,
コンクリートへのCs浸透挙動解明に資する知見を得るために、中性化させたコンクリートに対してCsI及びCsCl溶液を用いた浸透試験を行い、中性化がCs浸透挙動に与える影響を調査した。溶液によって中性化の影響度合いが異なり、CsI溶液では中性化させた際の空隙の生成による浸透の促進が、CsCl溶液ではコンクリートと溶液間のpH差の減少による浸透の抑制が、優位であることが分かった。
坂本 亮*; 金田 由久*; 小林 佑太朗*; 芳賀 和子*; 谷口 拓海; 黒木 亮一郎; 大杉 武史
no journal, ,
福島第一原子力発電所の汚染水処理から発生する汚染水処理二次廃棄物を低温固化処理した固化体の長期保管時の変質挙動を検討するため、セメントおよびAAM固化体を作製し、加温養生試験および促進中性化試験により変質を加速させた固化体の生成相を確認した。加速の定量化方法を検討した結果について紹介する。